体質を改善する食品

体質を改善する食品食べ物の〝個性″を知って、体質を改善するのも一法

先に人間の体質は日々変化するものだということを述べましたが、この体質を要素の上から大まかに三つに分類することができます。

まず第一にからだの熱から、熱症と冷え症に分けられますが、これは体温の高低のことではありません。熟症とは体内に熱をもっている人で、どちらかといえば冬の寒さには強く、夏の暑さに弱い人です。冷え症は逆に、いつもからだが冷え、寒さに弱い人です。よく会社の冷房で体調をくずす人がいますが、そんなタイプの人です。

第二は漢方でいう「実証」と「虚症」です。実証というのは便秘がちで血圧も高く、汗もあまりかかない人、いわば毒気をからだにためやすい人をいいます。また虚症とは、それと反対に下痢がちで体力のない人のことです。

第三は水分の取り込み方による分類で、いくら水分をとってもからだや皮膚が乾燥しており、乾いたフケが出るような「燥」の人と、とった水分をからだにため込みやすく、すぐにむくんでしまう「湿」の人に分けられます。

そして、これら体質の三つの要素に、まえに述べた食品の個性をそれぞれ対応することによって、体質の改善を図ることができるのです。たとえば第一の熟に関しては、保温作用がある「温性食物」と、放熱作用のある「涼性食物」が対応します。つまり熱症の人は、きゅうり・トマト・あさり・わかめ・豆腐など涼性食物を食べてからだの熟を下げることができ、冷え症の人は、ニラ・にんにく・かばちゃ・ふぐ・うなぎ・エビ・ピーナツなど温性食物を食べてからだを温めることができます。

第二の実証の人には、ニラ・にんにく・ねぎ・ごぼう・バナナ・カニ・くらげ・小豆・カレーなど、便秘を治し発汗を促進する「潟性食物」をとります。

また虚症の人には、肉類・キャベツ・たまねぎ・大根・アジ・あなご・アワビなど、下痢を止め、血色をよくし体力をつける「補性食物」をとって、体力増強の効果が期待できます。

第三の「燥」の人には、かばちゃ・たけのこ・りんご・パイナップル・どじょう・玄米・梅干しなど、体内の水分保留を促進する「潤性食物」がよく、また「湿」の人に対しては、しそ・しょうが・ねぎ・ごぼう・みかん・ぶどう・フナ・ウニ・とうもろこしなど、体内水分の排泄を促進する「燥性食物」が効くわけです。

しかし、このような食品の個性をいちいち知らなくても、長年の経験で生かされていることは多いのです。たとえばカニを食べるときには、二杯酢や三杯酢など酢といっしょに食べることが多いのですが、カニはからだを冷やす涼性食品で、酢は反対にからだを温める温性食品です。また豆腐も涼性食品ですが、薬味のネギやしょうが、カツオブシなどは温性食品です。このような食べ合わせの例は、昔の人が理屈ではなく、古くからの知恵として伝えてきたものです。それが自然であり、からだにもいいしおいしいということをわかっていたのでしょう。