自然治癒力

自然治癒力を促す
自然治癒力は誰もがもっている。
数年まえまで、「自然治癒力」という言葉を使うと、それを聞いた人から「自然治癒力とほ何ですか」とたずねられたものでした。
しかし、いまは誰もたずねません。
それだけ自然治癒力という言葉ほ急速に広まってきていますし、その意味するところ がわかってきているようです。
しかし、わかっているとはいっても、それはたとえば膝小僧をすりむいて、放っておいたら自然に傷口がふさがって治ったという現象、つまり自然に治癒した事実や、自然に治癒する力が存在するという事実について知っているだけであって、「自然治癒力とは何ぞや」というその概念となると、それについては誰も答えられなくなってしまうのです。
じつは自然治癒力の概念は、私にもわかりません。
広辞苑や医学大辞典をひっばり出してきても、自然治癒力という言葉そのものが載っていません。ところが西洋医学にほ自然治癒という概念がありますし、傷口がどのようなメカニズムで治っていくのかを学問する「創傷治癒学」という学問もあります。
しかし、それはあくまでも結果としての自然治癒であって、言葉の下に「力」をつけた自然治癒力となると、その力の源が何かについては、いっさい知られていないのです。
でほ自然治癒力をある程度想定し、自然治癒力をのばす医学を育ててきた東洋医学ではどうかというと、こちらは客観性や再現性がないために、少々説得力に欠けるきらいがあります。
このようなことから、自然治癒力は言葉の流布のわりには、つかみどころのない概念であるといえると思います。
ただ私は、「自然治癒力」をつぎのように考えています。
ちょっとむずかしい話になりますが、私たちのからだはたんに臓器の集合体でほなく、「場の中の存在である」と。人間のからだを切り開くと、あちこちに隙間がありますが、その隙間イコール空間に、生命に直結する何者かが存在し、これが「生命場」として機能しているのではないか、つまり〝自然のままにしておけば、生命維持のために秩序性の高いほうへ進む性質をもっている″ のではないかと考えているのです。
ストレスなどによっていちど「生命場」が乱れても、ストレスを解消させることによってまるで起き上がり小法師のようにまたもとにもどるという高い秩序性があるのです。
これが自然治癒力の正体ではないかと私ほ考えています。
自然治癒力は、人間の生命を維持しようとする力、ゆがんだ状態を修正しようとする力です。
たとえば、からだのなかの臓器を円滑に動かすために、この不思議な力が神経やホルモンに働きかけるとともに、さまざまな病原菌や毒素から身を守るために免疫力をつけていると考えられています。
自然治癒力はこの世に生まれた生命体ならば、どれもがもっているものです。
ただ人間の場合は、進化にともなって自然の生き方からかけ離れてしまったために、自然治癒力の恩恵にあまりあずかれないでいます。
そこで、だいじなのが、眠っている自然治癒力をどうすればめざめさせられるかですが、これは日々の生活を変えることによって十分めざめさせられるといってよいと思います。
具体的には、①心のあり方を整え(心の養生)、②食事の仕方を変え(食の養生)、そして③気功法を取り入れた生活を心がける(気の養生)ことです。この〝三本柱″さえしっかりおさえておけば、眠っている自然治癒力もやがて目をさますと私は信じています。
自然治癒力を高めるための具体的な生活術について述べていきますが、折りにふれて自然治癒力が高まった実例を紹介しながら、その効果について考えていきましょう。