不真面目も自然治癒力

不真面目は、おおいにけっこう。
私の知り合いの奥さんで、双子の高校生を頭に、下は小学校の男の子三人の子どもをもつ人がいます。
この人が根っからの真面目人間で、曲がったことが大嫌い、遊ぶこともしなければ旅行を楽しむこともしません。
朝、上の子のお弁当をつくって学校へ送り出したあとは、台所の仕事を片づけ、洗濯をし、部屋を掃除し、ひと段落ついたところで大好きな推理小説を読むか、パッチワークに精を出すという人です。
外出をするのは買い物に出かけるときぐらいで、時間がくれば夕食の支度をし、子どもといっしょに食事をして、お風呂をわかし、ちょっとテレビを見て布団を敷いて寝るという毎日を送っています。
その奥さんが、だいぶまえから腰痛がひどいとか、偏頭痛がする、腕の関節が痛いと訴えていました。
そして最近でほ、将来に不安をいだくような言葉を口にするようになり、聞いてみるとどうやら、子どもが大きくなって親離れしたときのことを考えると、淋しく感じて仕方がないというのです。
子どもたちのためならと、自分の楽しみをほとんど犠牲にしてきた奥さんですから、子どもに去られる日が来ることを考えると、いてもたってもいられなくなって当然かもしれません。
四〇代後半の主婦に、この奥さんのような人が多いようです。
真面目に子どもや家族のことばかりを考え、自分の生きる目的はそれしかないと視野をせばめて日々を送っていたら、そこに向けて進んでいきます。
これでは体調も崩すのも無理はありません。
もっと融通を利かせ、たまには手抜きをしたり、たとえば、近所の奥さん方とカラオケルームで一曲歌うなどしてストレスを発散していれば、深刻に悩むこともないでしょう。
「不真面目」というと、ふしだらという意味に受けとられそうですが、真面目一辺倒で生きてきた人には、息抜きが必要です。
四角い部屋を丸く掃くようないい加減さ、このような不真面目なところがぜひ必要だと心得てください。物ごとをあまりつきつめて考えず、肩ひじ張って生きず、〝ケセラセラ″の気持ちをもつことも、自然治癒力を高めることにつながるのです。
健康で長生きしている人は、そのへんの切り替えがうまい人です。
適当に真面目で適当に不真面目で、そのときどきに応じて要領よくそのどちらかを出して生きています。
謹厳実直な人は、見習ってもいいのではないでしょうか。