楽観と自然治癒力

楽観主義者は、悲感論者より病気にかかりづらい。
何ごとにも、悪いほうへ悪いほうへと考える人がいます。
人と待ち合わせの約束をすれば相手は遅れて来ると考え、仕事をまかせられればその仕事に大失敗して取引先から取引停止の目にあう場面を想像する、といったぐあいです。
じっさいにこのような人がいましたから、あるとき私はその人に「なぜ悪いほうにばかり考えるのですか」とたずねたことがあります。
するとその人はこう答えたのです。
「最悪の事態を考えておけば、そうなったときでもショックが小さいからです」
たしかにものごとはどう転ぶかわかりませんから、最悪の事態を考えることもだいじなことかもしれませんが、しかし、何ごとにも最悪の事態を考えるのはゆきすぎです。
このようなタイプは患者さんのなかにもいます。
たんなる偏頭痛なのに脳腫瘍と心配して来院したり、直腸がんかもしれないと青い顔をしてやってきた人がじつはただの痔だったという例は、ほんとうにたくさんあります。
なかにはがんノイローゼの人がいて、どこかが悪くなるとすぐがんに結びつけて、「がんだから診てくれ」と、勝手に決めつけてやってきます。
冗談で病院にくる人はいませんから、本人は相当真剣に思い悩み、かなり落ち込んだようすが見られます。
このような人たちには一般的に悲観論者が多く、何ごとも〝マイナスイメージ″で判断する傾向が強いものです。
郵便ポストが赤いのも、雨が降って天気が悪いのも、ぜんぶ自分のせいと考えるようなところがあります。
アメリカの研究者によると、悲観論者のほうが楽観主義者よりも病気にかかる率が高いという分析データが出ています。
また病気にかかったときでも、楽観主義者のほうが免疫力が強く働いて、治癒する速度も早いという調査データを発表しています。
やほり心配して落ち込んでばかりいればストレスもたまり、生命場の秩序に乱れが生じ、自然治癒力が十分機能しなくなるというわけです。
ですから悲観論者にとってだいじなことは、〝マイナスイメージ″でものごとを考えずに〝プラスイメージ″で考えるように思考法を変えることです。
「それができれば世話はない」という声が聞こえてきそうですが、そのようにいう人は、変える努力をこれまでしてこなかった人です。
あるいは努力をしても、ほんのすこしやってみただけで、やめてしまった人です。
まず変えるための一歩を踏み出して、踏み出したら二歩三歩と歩き、習慣づけるようにしていけば、かならずその努力ほ実ります。
仕事でミスをしたら、「調査不足」と考えて、「能力不足」とは考えない。
逆にうまくいったときほ「やっぱり私には才能があったのだ」と考える。
これほほんの一例ですが、日常生活のさまざまな場面でプラスイメージをつくるようにしてみてください。
そのうち徐々に考え方が楽観主義的になり、健康なからだを維持していけるようになるはずです。