恋愛感情は若さを!

恋愛感情恋愛は、健康で若さを保つ秘訣
このあいだ、たいへん興味深い話を聞かされました。結婚一五年目にしてほじめて奥さんに恋愛感情をもったという男の人からです。その人が話すところによると、自分ほ奥さんがそれほど好きでもないのに、なりゆき上、仕方なく結婚した。だから甘い生活の期間は一度もなく、夫婦だからいっしょに暮らすという無味乾煉な期間が長年つづいた。ところがある日、奥さんが忙しそうに家事洗濯している姿を何気なく見ていたら、とつぜん奥さんが愛しい存在に思え、以来、日ましに奥さんを好きになってきているというのです。
「苦労かけたな」ーこれが最初に頭に浮かんだ言葉だったそうです。すると奥さんがかいがいしく子どもたちの面倒を見たり、自分が病気のときに夜中まで看病してくれたこと、重い買い物袋を下げてふうふういいながら階段を上っている姿、けんかして殴ったら顔をはらして泣いていたこと、などなどがつぎつぎに思い出されてきて、胸がしめつけられたといいます。以来、その男の人は、時間が許すかぎり奥さんの話し相手になったり、日曜日にはいっしょに付近のスーパーへ買い物に行くなど、奥さんと心を通じ合わせる時間がものすごく多くなったということでした。
「一五年目の恋愛です。しかも女房とですから、変でしょ」
こういってその人は頭をかくのですが、なかなかいい話です。別れるときに「毎日が楽しいですよ」といったその顔には、幸福な人生を送っている人に共通する輝きが見られました。
この男の人の年齢は、たしか五〇歳すこしまえだったと思います。このぐらいの年齢になると、「いまさら愛も恋もない」と考えるようになり、女性に対して心をときめかせるのははしたないと思う人が増えていくようです。そのような感情が芽生えそうになったら、無理に抑え込む人もいるのではないでしょうか。しかし、感情の自然な発露を遮断するのは、精神衛生上、あまり好ましいことではありません。むろん、自然治癒力を高める環境としてはおすすめできません。
まえにもお話ししたように、一定の年齢にきたからあれをしてはいけない、これをしてはいけないと考えるのは、人生をつまらないものにさせます。恋愛、おおいにけっこうではありませんか。恋愛をすると、人ほ自分を磨こうとして、さまざまな努力をするものです。しかもつらい努力ではなく、自らすすんでやる楽しい努力です。ですから、いきいき、わくわくとしてきます。これが老けこむのを遅らせ、健康で若々しさを保たせる秘訣であることはよく知られているところでしょう。他人に迷惑をかけ、刃傷沙汰を起こすようなドロドロした関係にはまりこむのはいただけませんが、生きるはりあいのある恋愛感情をもつのはよいことです。
恋愛感情をもつとは、要するに人を好きになることです。人を好きになるのに、年の差ほありませんし、また年齢制限もありません。